伊藤薫さん「泣いて泣いて」の歌詞の意味を考察してみました。
歌詞全体を通して、愛失くして心が揺れ動く主人公の複雑な心情が描かれています。
心の底から湧き上がる深い哀しみ、悔い、孤独、希望などが絶えず織り交ぜられ、美しいメロディに乗せて歌われます。それでは、ひとつひとつの歌詞を見てみましょう。
麻生詩織「泣いて泣いて」の動画
「泣いて泣いて」歌詞の意味と考察
哀しくって哀しくって 涙が途切れない 今は泣いて泣いて早く忘れたいの
この歌詞から、主人公が何か大切なものを失ったことが伝わってきます。
その悲しみは底知れず、涙が止まらないほどの深さです。今はただ涙を流して、忘れることを願っているのです。彼女の中には、痛みから逃れたいという強い願いがあります。
倖せって 不倖せと いつでも背中合わせ 眠りましょう 独りの夜は
このフレーズでは、幸せと不幸は常に一緒に存在すること、そして人生の一部だということが描かれています。
独りの夜を眠るという表現から、彼女が孤独感を感じていることが伝わってきます。
迷い子の迷い子の仔猫 ゆうべの私に似てる 出された両手を振って 雨の中を逃げた
ここでは、彼女自身が迷い猫と同じように迷っていることが表現されています。
雨の中を逃げる仔猫の姿からは、彼女が追い詰められ、自分自身を守ろうとしている様子が感じられます。
びしょ濡れの心が 張り裂ける思いが 私には判る
この歌詞は、彼女が深く心を傷つけられ、その痛みを身を持って知っていることを表しています。
彼女の心は悲しみで満ちており、それが彼女自身を切なくさせています。
めぐり逢いは めぐり逢いは 別れの一里塚 今の人が次の季節 他人かもしれない
この部分では、人々が出会うこと、そしてそれが必然的に別れにつながることを主人公は語っています。
彼女は自分が愛した人が次の季節には他人になる可能性についても語ります。これは、人間関係の脆さや変化の速さを強調しています。
ああ都会はなんて綺麗 見せかけの薔薇の花 蜃気楼を見ているみたい
ここでは都会の虚飾と魅力について述べています。見せかけの薔薇の花や蜃気楼のように、都会の美しさは魅力的に見えますが、それは一種の幻であり、その実体は美しいものではないかもしれません。
ふらふら ふらふら街を 一人で彷徨いながら いけない遊びをしても 叱る人もいない
彼女が街を歩き回りながら孤独感を感じていることが描かれています。
彼女は自由に行動していますが、その自由が彼女をさらに孤独にさせています。
あの部屋に帰れば いくつもの思い出 私を責めるわ
この歌詞から、彼女が過去の思い出に苦しんでいることが伝わります。
思い出の場所に戻ると、彼女は自分を責め始めます。それは、彼女が自分の過去を正直に受け止めている証です。
「泣いて泣いて」のまとめ
この歌詞全体からは、愛を失った痛み、孤独、そして希望といった様々な感情が絶えず交錯しています。それは彼女の心の中の嵐を描いているかのようです。
しかし、その中には、新たな始まりへの希望も見え隠れします。その希望は、彼女が涙を流しながらも前を向いて進む力を与えています。