音田雅則「fake face dance music」の歌詞の意味を考察してみました！
この歌詞は、恋愛と人生の複雑さ、そしてそこから派生する感情の喜劇と悲劇を描いています。曲の詩情は、時に切なく、時に疲れた感情を通して、恋愛における苦悩や混乱、自己の探求と変化を細かく描いています。
「fake face dance music」歌詞の意味を考察
洒落た夜に
流れたメロディー
絡まってるのに
愛は解けてゆく
この歌詞は、恋人と過ごす洗練された夜、音楽とともに、しかし、愛情の糸が解けていくという矛盾した情景を描いています。メロディーは通常、二人の絆を象徴しますが、この場合、愛が解けていくという一見矛盾した表現が使用されています。
二人の関係性が徐々に複雑になっているか、あるいは亀裂が生じ始めていることを暗示しているかもしれません。
いつだってsorry
隠蔽したがってるのに
fake face dance music
夜明けまで踊っている
ここでは、自身の感情や真実を隠蔽しようとしているにも関わらず、「いつだってsorry」と言いながら謝罪することが描かれています。同時に、偽りの顔でダンスミュージックに身を任せ、夜明けまで踊り続ける様子を表しています。
これは恋人との間にある何かを隠すため、あるいは自身の内面的な葛藤から逃れるための行動であると解釈できます。
いつだって情緒不安定
ないことあることも言っちゃってんだ
行き場のないこの世界では
稀に見かける愛を
信じ続けてる
この部分では、自身の情緒不安定さを認識しながら、それでも、現実世界において稀に見かける愛を信じ続ける決意を歌っています。
本当にあるかどうかさえ疑わしい愛を追い求めていることから、恋愛に対する深い憧れと、それによる心の揺れを感じます。
朝食がてらの
ばかばかしいニュースで
誰かが笑ってた
その時からなのか
知ってる世界じゃなくなっていた
ここで描かれるのは、日常の何気ない瞬間、朝食を取りながら見るニュースで、自分の知っている世界が変わってしまった瞬間です。この部分は、人生や恋愛が一変した瞬間を表現していると思われ、それが自分の世界観を根本から揺さぶったことを示唆しています。
本当におかしな人生ね
それでも愛した運命で
あなたにこの心をハイジャックされた
この部分は、生きていく中で起きる不条理さや予期せぬ出来事を「本当におかしな人生ね」と表現しています。しかしながら、その全ての中で、自分の心が相手に「ハイジャック」されてしまったと歌っています。
これは、予期せぬ恋に落ち、心が相手に奪われるという感情を美しく描いています。
跳ねたテンポに
重ねるメロディー
絡まってるのに
愛は解けてゆく
ここでは、早いテンポの音楽と重なるメロディーが絡まっている一方で、愛がまた解けていく様子が描かれています。この表現は、恋愛の繰り返しやその複雑さを象徴していると言えます。
人間の感情は音楽のように変化し、絡まり、解けていく、というメタファーかもしれません。
いつだってworry
心配しちゃってるふり
浮ついた心までも正当化
歌詞は、常に心配し、自分の心が浮ついていることを正当化しようとする行動を描いています。この部分は、自己欺瞞や自己の感情との戦いを表現しているかもしれません。
恋愛において、自分自身に正直でいることの難しさと、それを隠そうとする自己保護の様子が見えます。
過ごした中で
愛を見つけて
これが本当の幸せなんだろな
とか思ったり
可愛くなるため
頑張ったり
その度フラッシュバック
ばっか浴びてく間に
失望感に迫られて
ここでは、一緒に過ごす中で愛を見つけ、それが本当の幸せではないかと考える自分が描かれています。また、可愛くなろうと努力し、その度に過去の思い出がフラッシュバックしてきて、失望感に迫られる様子を歌っています。
これは、自己変革の困難さと、愛する人に対する自分自身の期待と現実のギャップに苦しむ心情を表現しています。
守るとか、君しか見てないとか
言われても信用ないなぁ
恋人からの言葉や約束に疑念を抱く自分の心情を歌っています。「君しか見てない」という言葉を信じられないという部分から、相手の行動や言葉に疑問を持つことで、信頼感が揺らいでいることが伺えます。
呼びかけてるのに
あの子に夢中で
絡まってるのに
愛がすり抜けてく
恋人に呼びかけても、その人の心が他の誰かに向いている様子を描いています。これは一種の片思いや、三角関係を示しているかもしれません。
また、「絡まってるのに愛がすり抜けてく」という部分は、どれだけ頑張っても相手の心をつかむことができないという無力感を表しています。
チクタクチクタクと
時計の針だけが流れてく
おいてかないでね
この部分は、時間が過ぎていくこととその恐怖を表現しています。時計の針がチクタクと音を立てて進む様子から、経過する時間とその無情さが感じられます。
「おいてかないでね」という言葉は、恋人に置き去りにされたくない、時間と共に関係性が変わることへの不安を表しているかもしれません。
本当は夢見た相思相愛
現実的には期待は損で
バッドなエンディング
振るのもそっちのタイミング
ここでは、理想と現実のギャップを歌っています。本当は互いに愛し合う関係を夢見ていたが、現実はその期待を裏切り、結果的には辛い結末を迎えるという様子が描かれています。
「振るのもそっちのタイミング」という部分は、終わるタイミングまで相手に制御されているという無力感を表現していると考えられます。
純愛なんてさ信じてたのに
本命じゃなくて浮気女側
純粋な愛を信じていたにもかかわらず、本命ではなく、浮気相手であったという現実を歌っています。自分が思っていたよりも相手にとって自分の存在が小さかったことに対する失望と悲しみが感じられます。
洒落た夜に
流れたメロディー
絡まってるのに
愛は解けてゆく
再びこのフレーズが繰り返されていることから、これが歌の主題とも言えるでしょう。絡まった恋愛関係、その中で感じる複雑さや混乱、そしてその中で解けていく愛。そんな切なさや混沌を表現しています。
シンデレラストーリー
到底違ってるのに
fake face dance music
嘘まみれに踊ろう
最後の部分では、自分が思い描いていた理想の愛、シンデレラストーリーと現実が全く異なることを認めます。そして、それでも偽りの表情を作り、嘘まみれのダンス、つまり現状を受け入れて生きていこうとする決意が歌われています。
「fake face dance music」歌詞の意味を考察まとめ
音田雅則「fake face dance music」の歌詞の意味を考察でした。
以上の歌詞全体から見て、恋愛の困難さ、期待と現実のギャップ、時間の流れ、そしてそれでも生きていくための決意などがテーマとして織り交ぜられていると考えられます。
全体を通してこの歌詞は、混沌とした恋愛の世界を描きながらも、現実を受け入れて生きていく強さを伝えています。恋愛における喜びや楽しみだけでなく、苦しみや失望感も等しく描かれていて、そのリアリティが聴く人の心に深く響くでしょう。
そして最後には、どんな困難な状況でも、自分自身を偽りながらでも生きていく決意が歌われており、それが聴く人々に勇気や希望を与えるかもしれません。
